Nana

ダンサー・イン・ザ・ダークのNanaのレビュー・感想・評価

4.2
【ダンサー・イン・ザ・ダーク】

みんなに続け! “ダーイン鑑賞“ 🎬

初めて観たのが10代の頃。当時はBjorkが持つ独特な雰囲気や歌声であったり、かなり個性が強くてちょっとこわいな…って思ってたんです。そしてラストシーンの衝撃だけはずっと忘れられない。むしろそこだけしか覚えてないんじゃないか…?ってゆうくらい。

胸糞や鬱、トラウマ、そんなミュージカル映画のイメージの本作ですが不思議なもんで
数十年ぶりに観ると結末は分かっていても、すごい新鮮な気持ちで観ることが出来たし、全然胸糞でも鬱でもない。こんなにも胸にグサグサと響いて号泣するとは思いもしなかった……


セルマの空想の中で繰り広げられるミュージカルシーン。
その中のセルマは笑顔で楽しそうで…
しかし現実は静まり返ったような、光の見えない絶望感。だからこそ余計に悲しく胸が締め付けられる。

失明する恐怖と戦いながら、常に生きてきたセルマ。
母親として、息子を想う気持ちは頑なに変わらない意志の強さ。息子を助けたいセルマと、またセルマを助けたいと思うキャシーとジェフ。お互いの気持ちがぶつかり合い、苦渋な決断を迫られても、自分を犠牲にしてまで息子への愛は誰にも邪魔させない決意が伝わってくる。
紛れもない母と子の愛の物語だったんだな。

だからこのセルマの選択は納得がいくし、
救いようがないとは私は思わなかった。
セルマの願う “幸せ“ だったのかと思うと…。


面会でのジェフとセルマの会話で
“息子に遺伝すると分かってなぜ産んだのか“

辛い思いをさせたくないから産まない選択肢もあっただろうに、もう産むと決めた時点から将来何があろうと息子を助ける、色々なものが見える喜びを噛み締めて欲しいと、セルマの想いを全て息子に託していたのかなと思うと泣けて泣けて仕方なかった。

自分も母親になって観ると、また違う見方が出来たし、熱いダーイン談議が繰り広げられたミュージカル部の(もちゃ&がん)に感謝だ!ありがとう!!


🎬〚2020.194〛
Nana

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