なんか凄いな。「パラサイト」と「万引き家族」の先祖みたいな映画。
娘と息子に犯罪まがいの金稼ぎをさせて、父親は左うちわの暮らし。騙された男たちが抗議に来ても、口八丁手八丁で調子のいいことを言ってはぐらかす。伊藤雄之助の芝居がなんと素晴らしいこと。
ただ、この親父は戦争を背負ってるんですよね。平和な時代にのうのうと暮らす人たちへのルサンチマンと、国の為に戦った自分は贅沢する権利があるという妙な特権意識。これがこの親父を動かしているように思えました。
ただ、そんなクセモノ一家の上をいく、したたかな美女(若尾文子)に手玉にとられていく展開もまた面白い。女1人で生きていかなくていけない彼女もルサンチマンに動かさられているよう。
もっとも、本作はあくまでコメディ。楽しく見れました(エンディングを除けば、ですけど)。
BS松竹東急にて。