hikumahika

しとやかな獣のhikumahikaのレビュー・感想・評価

しとやかな獣(1962年製作の映画)
3.5


【誰ひとり善人が出てこない団地家族ドラマ】

舞台は4人家族が暮らす団地の一室で、室内と玄関先以外の場所はほとんど画面に登場せず、長く白い階段が効果的なイメージとして現れる。

息子には横領を娘には愛人暮らしをさせて金を稼がせる父母、経理不正で私腹を肥やす社長、怪しい外国人シンガー、美貌と身体で男たちから金を巻き上げて開業を目指す女、不正を働いた税務署職員…
金が人を動かし焦らせ狂わせる様の描き方はさすが川島雄三といったところ。

新藤兼人脚本のとめどなくハキハキとしたセリフの応酬は俳優陣の力量も含めてお見事。
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