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しとやかな獣のtaroumanのレビュー・感想・評価

しとやかな獣(1962年製作の映画)
3.0
主演は若尾文子ということだが、伊藤雄之助と山岡久乃の怪演が圧倒的。自分にとって、この映画はこれに尽きます。
多くの人がレビューしているとおり団地の一室が舞台で、そこに出入りする人物を通してストーリーは展開します。
伊藤・山岡の夫婦は、(息子と若尾文子のシーンを除いて)原則として部屋におり、登場人物とは常に何らかで絡んでいます。結局のところこのやり取りが最高に面白い。この出鱈目な怪夫婦による応対は、社会勉強にもなります。
古い映画のためか、所々に実験的なカットも挟まりますが、出だしで能の楽曲に合わせて部屋を模様替えするシーンなどは斬新でモダンな印象。
メインの舞台が団地の一室だとか、斬新なカット割りや奇妙な夫婦など、やはり何人かの方が触れていましたが、見ている途中で家族ゲームを連想しました。
因みに中盤辺りで、伊藤がベランダから双眼鏡で覗くシーンがあるが、何かの伏線と思いきやそのまま終わってしまった。どういう意味なのだろうか。
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