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元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯

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『元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯』に投稿された感想・評価

3.7
急に思い出したからレビュー書きます。公開時は岩波ホール。
未だに未ソフト化から再見できないが、こういう良質な作品こそ後世にまで残すべきだわ。

明治・大正期の作家で日本のフェミニズム思想の母と言っても過言ではない、平塚らいてうの生涯を紹介するドキュメンタリー。
激動的でドラマティックな人生は、なぜもっと映画やドラマ等にされないのか不思議でならない。

らいてうはフェミニストとしては、むしろ現代にマッチした思想の持ち主だったと思う。女性の解放と自立を主張をしてはいたが、決して女を捨ててもいなかった。

元々良家に生まれ西洋文化に慣れ親しみ育ったが、日本の軍国主義化により女性から学問が取り上げられていく。
国粋主義教育に抵抗するように、“海賊組”を名乗り授業をボイコット。
文学や思想に傾倒する学生時代。

そして“雪の塩原事件”を起こす。恋人との心中未遂事件で世間に名を広めてしまう。
これを機に女性解放運動に目覚め、初の女性による文芸誌「青鞜」を発刊。
『女性は実に太陽であった』を発表。

なお、この映画では「青鞜とは欧米のフェミニストが青いソックスをシンボルにしてたことに由来するが、実際は勘違いであった」云々と説明されていた。この件は他で調べても見つからないんだよなー。

青鞜にはかの与謝野晶子も参加。
与謝野とらいてうは後に「母性保護運動」争うこととなる。
らいてうは元々身体が強い方でも無かったので、出産や育児には国家の保護が必要だと主張した。今で言う助成金の給付制度を主張したんだね。
一方晶子は子供12人育てバリバリ仕事もこなすスーパーウーマンの肝っ玉母ちゃん。あっこちゃんは、国による保護は女性の隷属に繋がり真の自立にはならないと主張したんだわ。
どちらの主張もわかるが、与謝野晶子の方が妥協がなく強硬派だと思う。

青鞜の参加者には他に、社会主義者として憲兵に殺された大杉栄の内縁の妻、伊藤野枝。創刊号の表紙は高村千恵子だぞ!!!

尾竹紅吉との色々は割愛。
その後結婚する奥村博史と出会う。年下の男の恋人を“若いツバメ”というのは、らいてうが奥村とのことを青鞜で詞に書き“ツバメと比喩したことに由来するぞ。

単なるフェミニズムの枠に収まらず、平和主義・国粋主義・社会主義が交差する時代に、文学と恋にも盛んだったらいてうの生涯。
思想の先進性もあるが、それ以上に平塚らいてうの人間としての魅力が伝わる。そんな映画。
改めてソフト化超希望!!!
3.0
【今に通じるグロテスクさ】
シネマヴェーラで開催されている特集「羽田澄子 生誕百年記念 福祉、芸術、ジェンダーを通して日本を描く」にて『元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯』を観てきた。羽田澄子の作品はほとんど円盤化も配信もされていないため全く触れてこなかったのだが、先日観た『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』が素晴らしかったのでシネマヴェーラに通うことにした。まず、夜勤明けに『元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯』を観て来た。

私は高校時代世界史を選んでいたため、平塚らいてうは中学受験の時に学んだぐらいであった。当時は社会との距離が遠く、平塚らいてう=女性活動家といった単なる文字上の人物でしかなかった。本ドキュメンタリーを観ると、彼女の肉声や姿、ナレーションで整理されていく彼女の轍と当時の社会情勢から全くもって他人ごとではないなと思わずにはいられない。興味深いのは、スウェーデンの女性活動家であるエレン・ケイとの関係性であり、平塚らいてうが編集長を務めた「青鞜」で紹介され日本の婦人活動を推し進めてきた人物であるが、エレン・ケイ自身も彼女にリスペクトを持っていたらしく、スウェーデンの記念館にはらいてうの著作が展示されている話は興味深かった。

また、日本が真珠湾攻撃した時の無謀さを物語る場面は今に通じている。80%もの物資を輸入に頼っている国が大国に戦争を仕掛ける様や物資がカツカツにもかかわらず新聞にて「備蓄は十分」といった見出しで大々的に語られている様のグロテスクさは今の日本そのものであり暗澹たる気持ちとなった。
重要な映画であるのは間違いないが、本音を言えばリッチな博物館の映像といった具合だ。でも長く感じるということもなく、だんだん惹きつけられていったかしら。
ところで瀬戸内寂聴が話しているところを初めて見たかもしれない。一瞬だったがトークの巧さは十分に伝わったし、ハッキリと興味が湧いた。

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