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ビフォア・ザ・レインのYKのレビュー・感想・評価

ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)
4.5
この前、国立新美術館の李禹煥の展示を観に行った。そこで自分は「点より」シリーズの作品(そのなかでも特にシンプルな単色のもの)にすごく感銘を受けた。その作品は、キャンバス上に点を連続して打っていっただけのもの。筆が乾けば次第に点がかすれていくので、その都度絵の具を足して描いていく。それはまさに、1枚のキャンバスの中で、時間という概念を的確かつシンプルに表現した作品だった。

この映画は、そうした時間の捉え方に3つのラブストーリーを据えて、人の間で生まれる負の感情と、そこからはじまる民族・宗教間の不毛な対立を描いている。「時は死なず、巡ることもなし」という言葉が、映画を観終わったあとより深い意味を持って心に響く。
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