シム

おおかみこどもの雨と雪のシムのネタバレレビュー・内容・結末

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

中学で見て人格形成に大いに影響を受けた作品。

この作品を見ると、自分が両親にいかに大切にされていたかを改めて思い出す。

久々に男4人で見たけどちゃんと最後泣いた。

クライマックスで、花が雨に対して「まだなにもしてあげられてない」って泣く場面は、純粋な子どもへの優しさはもちろんそこにはあるんだろうけど、10歳で雨が狼として親元を離れていってしまうこと(作中では狼と人間の成長スピードの差として説明されてる)の悲しさ、寂しさだったり、心配で仕方がない気持ちだったり、そんな花の母親としての葛藤がめちゃくちゃ伝わってきて、この作品見る度に自分の母親が重なってめっちゃ泣いてた。

でも改めて最近見たときに、

「かあさん、おおかみってどうしていつも悪ものなの?」
「悪ものって・・絵本?」
「みんなに嫌われて、最後には殺される。だったら僕、おおかみはイヤだ」
「そうね、でもお母さんは、おおかみが好きよ。
みんながおおかみを嫌っても、お母さんだけは、おおかみの味方だから」

ってシーンを見て、雨はこの花の言葉に救われたからこそ狼になれたし立派に自立できたんだなって気づいた。狼としての自分を絶対に肯定してくれる人の存在=母親がいたからこそ雨はこれ以降だんだんと狩りができるようになって、次第に山に入っていくようになって、家から、花から離れていけたんだな。

花からしたら10歳で自分の子どもが家に帰ってこないことがどれほど不安かなんて計り知れないし、だからこそ「まだ何もしてあげられてない」って思ったんだろうけど、そういう花の雨に対する想いの全部が「お母さんだけは、おおかみの味方だから」の言葉として雨に伝わって、それが常に雨の中に生き続けてたんだよな。花の優しさのおかげで雨は狼として大人になれた、、、最後の花に向けた遠吠えは、それを雨なりに花に伝えようとしたんじゃないかなぁ。もう泣くしかないじゃんこんなの。あんたはいいお母さんだよ。よくやったよ。

愛を注げば注ぐほど、子はそれに支えられて遠くに行ける。母親としてこんなに切ないことはたぶんないだろうけど、それがなによりも母親が精一杯子どもを育てたこと、たくさん色んなことをしてあげたことの証明なんだな。


てかなんでおれ坊主なん?
シム

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