このレビューはネタバレを含みます
「まだあなたに何もしてあげてない」でいつも泣いてしまう。
何をどれだけやっても“やりきった”と思うことはないんだろうな。
花ちゃんの中で雨は背中をトントンしてあげてた泣き虫だった子供の頃のままで、だけど親が思ってる以上に子供は成長して。
愛でも呪縛でもあるこの一言に躊躇い、だけど振り切って成長した姿を見せた雨の遠吠えに、そばにいてあげてほしい反面やっぱり泣いてしまう。
花が雪のやりたいようにすればいいよと言った外の世界に触れて同調するように女の子らしさを身に付けていくことも、おおかみだからって訳じゃなくて、やっぱりリアルなんだよなあ。
雪がずっと口に出来なかった秘密を共有できる人間に出会えたことがとてもホッとするのです。
映像と音楽で時間が経過していくところがとても好き。笑顔でエンドロールを迎えたけれどやっぱりどこか寂しくて、おとぎ話のようで本当にリアルで、ずしんとちょっと苦しい何かが自分の中に残る。
力強さと達成感に癒される。好き、だけどちょっと落ち込む。
やっぱり風景、背景がとんでもなくすばらしいよね。