久しぶりにDVDでジャン・ミッシェル・バスキアの伝記映画「バスキア」を観た。
ニューヨークで活躍した画家の27歳で亡くなった短い生涯を描いた作品。
単純に絵が好きな黒人青年だったバスキアがウォーホルと出逢ったことがきっかけで一気に売れっ子ポップアーティストとして祭り上げられ、成功はするがそれとともに失うものも…
最後はドラッグで亡くなるわけだけど実にさらっと終わる感じがいい。
脇を固める役者が豪華でアンソニー・ホプキンス、デヴィッド・ボウイ、クリストファー・ウォーケン、ウイレム・デフォーにベニチオ・デル・トロ。
ボウイのアンディ・ウォーホル役がハマってておかしい。見るたびにニヤリとしてしまう。
監督は実際にバスキアと親交のあった人で作品中で使っていた音楽はバスキアが所有していたテープから使ったらしい。とってもセンスのいい曲。
才能を蛇口を全開にして出しきってドラッグで死んだ画家バスキア。
映画のラスト近くでバスキアが語る印象的な寓話…
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金色の冠をがぶった、ある国の幼い王子が
悪い魔法使いにさらわれてしまう。
そして高い塔の一番上の鉄格子の部屋に
閉じ込められ、魔法をかけられ声を失う。
声を奪われてしまったので、
助けを呼ぼうとしてもそれが出来ない王子は
鉄格子に冠を打ちつける。
誰かこの音を聞いて助けに来てくれる事を願って。
その音を聞いた街の人々は
その音の理由がわからぬままに
その響きの美しさに酔いしれた。
王子は助かる事はなかったが、
人々に「美」をもたらした。
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たま~にひっぱりだして見たくなる映画の中の一本。
(2008年04月04日レビュー転載)