Yoko

スーパーサイズ・ミーのYokoのレビュー・感想・評価

スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)
3.5
日頃、街角の看板やCMで見かけるマクドナルド。
では、「日常」に浸透しきっているこのファストフードを「日常」的に食べてみたらどうなるか!?
30日間の戦いが始まる…。

前々から見たかったドキュメンタリーだったが、先ほど「クォーン」という本物の肉の触感にかなり近い人工肉の存在を知り、今作を観るタイミングは今しかないと思い鑑賞。
(ニューズウィーク日本版 「死のない肉」クォーンが急成長 人工肉市場がアツい URL:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9523.php)
30年程前にイギリスで開発された「クォーン」はキノコのたんぱく質を発酵させて出来る「マイコプロテイン」というカビが主原料らしいのだが、これが野菜しか食べないヴィーガンの人にも好評を博しているようで、ここ10年ほどで米国市場においてかなり広がりを見せているらしい。
当然まだまだ値は張るもので日本でも全く馴染みがないが、旨くてそれなりに健康的であるらしいこの肉をいつかは口にしてみたいものだ。

映画自体はとても面白く勉強にもなった。
家族フィルムよろしく一個人の奮闘記で終わるだけでなく、いかにしてアメリカ人がファストフードをすりこまれ、肥満大国の称号を手にしてしまったのか手に取るようにスラスラ頭に入ってくる。
特に、ジャンクフード業界が投資する広告費用とそれをもって行われる広告の圧倒的数にはショックだった。
ここ最近でも、食材の知識やバランスある食事の選択をする知恵をつける「食育」なる言葉を目にする。
しかし、資本や手法という面で、健康志向の食育推進側がジャンクフード業界に対して圧倒的に敗北していたことの実感はもともと強かったが、このぼんやりとした実感がデータで裏付けられたことに虚しさを覚えた(食育に携わる人間ではないが)。

いわゆる「意識高い系」しか参加していないイメージの食育。
便利で美味しい(ここがやっぱ大事ですよね)ジャンクフードに対してこれからどのように裾野を広げていくのか。
この映画のおかげで、食育側の動きを少し意識してみようかなと思ったのは個人的に大きな影響かもしれない。
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