誰もが知ってるアニマルパニックホラーの名作というか全てを築き上げた始祖と言って良い(本当はヒッチコックの名作『鳥』など始祖と言える映画は他にもあるがここまでこの分野を広く知らしめたのはこの『ジョーズ』だと思う)。
もう何度となく見たが、その演出、音楽、小物、演技、ストーリー構成、全てに於いて一級品で未だにアニマルパニックホラーの最高傑作に位置している。
もちろん時代背景的に巨大なサメのロボットで作られてるジョーズ自体の動きは鈍く口に継ぎ目が有ったりと美しいCGで描かれる現代の映画と比較すると見劣りする部分はある。
それでも演出で見せ方を工夫して今見てもリアリティを感じさせるのだから凄い。
サメ映画という1つのジャンルを生み出し、ピラニアなど各種アニマルパニックホラーに多大な影響を与えたこの映画の力は今でも色褪せない。
あまりにも人々に影響を与え過ぎたせいでホホジロザメ＝人喰いサメのイメージを植え付けてしまい、乱獲を促進させてホホジロザメが絶滅の危機に瀕する事態にまでなってしまったが、実際のホホジロザメによる被害はそれほど多くはないとのこと。
この映画のヒントになったサメの事件もあったのだがホホジロザメではなくオオメジロザメによる食害事件だった可能性が高いと言われている。
最近、メガロドンなど人間を数人噛まずにひと飲み出来てしまうようなジョーズとは比較にならないサイズのサメ映画も増えているが、実際に鋭い歯で噛まれる怖さはこの初代ジョーズのサイズ感だからこそで、あまりにも巨大化したサメの映画では味わえないリアルな恐ろしさがある。
ジョーズ2、ジョーズ3など続編や外伝的なものも生んだが初代ジョーズがやはり出来としては最高。
ジョーズ復讐編なんかになるともうサメと言うかオカルトホラーになってしまったのが残念だったが、それだけこの初代ジョーズが偉大過ぎたと言えるかも知れない。
