ゆず

JAWS/ジョーズのゆずのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
3.2
夏だから…ジョーズ。安直。

初めて見ました。ふーんこういう映画だったのかーという感じ。有名な過去の名作映画ってタイトルと概要は知っていても、実際見てみると良い意味で予想を裏切られることが多いよね。「イージーライダー」みたいにラスト全然イージーじゃねえよ!痛烈な社会風刺かよ!ってのもあれば、「キャリー」みたいにあらすじで全部語ってるけどその終盤までドラマで引っ張る力量を持っていたり。この「ジョーズ」はどちらかというと後者の『キャリー型』で(←今考えた)、サメが海水浴客で溢れるビーチに現れて大変大変!っていうそれだけの映画なんだけど、そこにたどり着くまでのドラマに全然手を抜いてないし、それが逆に前半のつまらなさ、否、だんだんと恐怖が近づいてくる時の張り詰めた静けさになっている。つまりはこの映画の独自性になっているんだと思う。あと実はビーチがパニックになった後の展開も予想しなかったもので、というか、「ジョーズ」に対して、サメ、ビーチ、以外のイメージがなかったので単純にどういう結末を迎えるかを考えたこともなかったんだけど、ほーお、こういう結末かーという感じ。やっぱり映画でも何でも実際に見たりするまでは分からないね!という至極当たり前の真実にたどり着いた私なのでした。(n回目)

サメ映画というと他には「シャークネード」(竜巻に巻き上げられたサメが空から襲いかかってくる)くらいしか見たことないけど、やっぱり昨今のパニック・アクション・サメ映画とは一線を画する名作の趣きがありますなあ…。前半では、市民の命の安全を取るか、それとも夏の観光客が落とす金を取るかという二択に主人公は板挟みになる。この映画は単にサメVS人間だけを描いているのではなく、危険が目の前に迫っていてもそれに気づかない、自分の身に降りかかるまで知らんぷりをする人間の愚かな一面をたしかに描いている。ビーチに潜むサメに対して人間たちがどう対処するか、それを丁寧に描いており、そこが中盤くらいまでの見所になっていると思う。

あと、背ビレだけを水面に出して徐々に迫ってくるお馴染みのアレは実は思ったほどやってない印象。むしろそこにはそんなに力入れてない感じで、やっぱり!映画は!見るまで!分からない!ね!
ゆず

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