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天河伝説殺人事件のKUBOのネタバレレビュー・内容・結末

天河伝説殺人事件(1991年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「浅見光彦」シリーズだけど、市川崑のミステリー作品の一つという位置付けで鑑賞。

石坂浩二の「金田一耕助」シリーズのラスト(リメイクの『犬神家』除く)『病院坂の首縊りの家』以来12年ぶりのミステリー作品。

いきなりナレーションが石坂浩二(金田一耕助)だ。というより、石坂浩二がナレーションすると『ウルトラQ』なのだが(笑)。

キャスティングは「金田一耕助」シリーズから引き続きという俳優さんが多くて「金田一耕助」シリーズから地続き感が感じられておもしろい。

宮司が大滝秀治だったり(『犬神家の一族』)、旅館の女将が岸恵子だったり(『悪魔の手毬唄』)、刑事はお馴染み加藤武! 決め台詞の「よーし、わかった!」を何度も焦らせて最後に出すあたり、キャプテンアメリカの「アベンジャーズ・(アッセンブル)!」思い出して笑った。

逆に、浅見光彦シリーズと言えばお馴染みの、誤認逮捕からお兄さんの浅見陽一郎のご意向にひれ伏すパターンがない(後半に素性がバレるところはあるけど)のと、名探偵扱いされないのはよく知ってる浅見光彦ものとは違う。

ただ考えてみれば金田一耕助シリーズでも、市川崑は、毎回毎回加藤武演じる刑事に「誰だ君は⁉︎」って言わせてたから(『悪魔の手毬唄』の若山富三郎除く)、お馴染みの名探偵って設定にしたくないのかもしれないね。

見どころは観世栄夫監修の「道成寺」。

ただキャスティングで犯人がわかってしまうのはどうなんでしょう? まあ「金田一耕助」シリーズでも、みんなそうだったけど、ここまでくると、もはや様式部。

市川崑は岸恵子、大好きだったんだろうなぁ。

内田康夫は横溝正史と比べちゃうとあっさりしてるけど、市川崑作品として他の金田一耕助ものと比較しながら見るのはおもしろかった。
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