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インサイド・マンのtomoのネタバレレビュー・内容・結末

インサイド・マン(2006年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

見終わるとタイトルの意味がスッキリする。なるほど、「インサイド」ね〜。
犯人側の作戦のキモは「人質に紛れる」という一見シンプルながら良いところを突いている。ただしそうすると当然、「捕まらない」というだけでお金も何も持ち出せないじゃん?という話になってしまう。そこを更に1週間壁の向こうに潜んでほとぼりが覚めたら出てくるという二段構えにしてるわけだが、この二段目のオチはちょっと弱い気がする。勝手知ったる行員には壁の上げ底を見抜かれそうだし、鑑識とか入ったらあんな即席の仕掛けの中で見つからず隠れてるのは難しいんじゃないかなあ。いっそ「実は盗み出すことではなく貸金庫にある不都合なものを消すことが真の目的で、人質に紛れて脱出した時点で目標達成」とかの方が良かったんじゃないかな。まあ、犯人側を義賊的に描きたかったからこういう流れにするしかなかったのかな。
刑事も犯人も銀行の会長もみんな良いキャラで、特にジョディフォスター演じる弁護士は、切れ者ながら金のためになんでもする悪徳弁護士の顔と、自分や雇い主の悪徳さに自覚的というか露悪的でそれでいて雇い主の年貢の納めどきを笑って眺めるような強かさと不思議な正義感(とも違うなあ…何といえばいいのか)を併せ持つ魅力溢れた人物像で、現場での活躍が限られてたのが残念。
ペンキ屋に扮するだけでガードに一切止められず簡単に侵入できるのはちょっと甘くない?業者の予定とかは事前に把握してるでしょ?という甘さも若干気に掛かり0.1点減点。
まあでも面白かったし後味もいい。好きなタイプの映画です。
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