柊

パルプ・フィクションの柊のレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.8
何度観ても神がかり的に最高な脚本、編集、配役な映画だと思う。はー、最高。
バイオレンス苦手なので終始緊張を強いられるんだけど、それすらアドレナリンにとって代わる。
「パルプ・フィクション」を観るたび、映画の面白さについて考えさせられる。
素晴らしい映像、泣かせる作品…多々あるけれど映画における「面白い!」って思わせる要素はなんだろうって。

初めてこの映画を観たとき、四つのパートを時系列バラバラに組み立てつつ物語を成立させる手腕に感動させられた。映画の無限の可能性を見せられた瞬間といっていい。以来、この脚本を超える作品を求め続けていると言っても過言ではないかもしれない。

配役も奇跡。トラボルタやブルース・ウィリスはこの映画に出演したことで俳優として復帰出来た…と記憶している。この作品以降のユマ・サーマン、サミュエル・L・ジャクソンの活躍も目覚ましい。

ミアとヴィンセント、ヴィンセントとジュールスのパートがとりわけ好きなんですが、場を支配するジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)の迫力の演技は何度観ても鳥肌が立つし、他にも印象深いシーンをあげたら多分キリがない。

この映画で最後まで生き残れた人物たちは、生死を分ける分岐点において選択肢を間違えなかったんだなとしみじみ思う。いくつもの偶然の重なりとそれがたどり着く結末に呆然とさせられてしまうんだよな…。

シリアスかと思えば後半タランティーノ監督自身が映画に出演していたりして、そういう「遊び」の部分も好きだ。きっと心の中ではにまにま笑いながら演じていたんだろうな、なんて思う。

この映画が公開されたころ、繰り返し聴いたサウンドトラックも懐かしかった。この場面でこの曲流すのか~っていうチープさとか、ああもう本当にタランティーノ監督は映画が好きで好きで、「面白い」を追求してくれる監督だと思う。
柊