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フォルウォスの黒楯の一人旅のレビュー・感想・評価

フォルウォスの黒楯(1954年製作の映画)
3.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ルドルフ・マテ監督作。

米国人作家:ハワード・パイルによる1891年発表の小説「Men of Iron」をルドルフ・マテ監督が映画化した歴史活劇で、当時夫婦だったトニー・カーティスとジャネット・リーが身分差を越えて惹かれ合う男女を演じます。

15世紀初頭、ヘンリー4世統治下の英国を舞台にした作品で、小作人の青年:マイルズが妹:メグを連れて亡き父の友人であるマクワース卿の城へ奉公に行き、騎士の訓練生として仲間達と切磋琢磨していく中、やがて自身の出自に係る重大な秘密と国家の存亡を揺るがす逆臣の陰謀を知ることとなる―という展開で、主人公マイルズとマクワース卿の一人娘:アンの身分差の恋のゆくえを物語に絡めています。

槍対槍の馬上対決等、適度に採り入れられた活劇が大きな見せ場となっていますし、(どう見ても英国人には見えない)現代アメリカンな雰囲気に満ちたトニー・カーティスと美貌淑女のジャネット・リーが織りなす若き男女のロマンスも見所となっています。ただ、甲冑や槍等の武具、城内のセットは安物感を否めませんし、ユニバーサルの記念すべきシネマスコープ第1作目であるにも関わらずその良さを活かし切れていないのも惜しいところです。

中世の英国を舞台に、小作人から騎士へと変貌を遂げる血気盛んな青年の成長を描いた騎士道映画の佳作であります。
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