カモメコミットメント

ピンポンのカモメコミットメントのレビュー・感想・評価

ピンポン(2002年製作の映画)
3.8
秘密基地を作ったり、ヒーローごっこをしたりのような、幼稚園、小学生のような「ノリ」があり、20世紀少年を想起させた。19の私が懐かしいと感じてしまうような陽気なノスタルジーがあった。

「ピンポンは世界一速いスポーツなんだぜ」という言葉がこの映画を象徴していたと思う。青春、成長、勝負、才能、葛藤など重くなってしまうようなテーマをを描きながらも最初から最後まで疾走感のある映画だった。

何よりも素晴らしかったのは映画内の音楽だと思う。元電気グルーヴのマリンが手掛けた主題曲のテクノは、映画の中の疾走感をさらに強めていた。なんというか、テクノの機械音が”ピンポン”という音からくるイメージによく映えていたのだと思う。

ギフテッド、そうでないものの葛藤だけではなく、才能を持ったものの中でもさらに才能がある、ないに分かれる。この映画で良かったところは、才能を持たないものが卑屈になる部分があるが、人物が上手くポップなキャラに仕上がっていて、そこで映画の雰囲気が暗くならなかったことである。