木曳野皐

ピンポンの木曳野皐のレビュー・感想・評価

ピンポン(2002年製作の映画)
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「“僕の血は”鉄の味がする」
大人が知っている当たり前を当たり前じゃないと思っていた幼少期。
血が鉄の味なのは僕だけだと思っていたあの頃。
無知が最強 だったりする。
その自分の無知さに気づけた時、人はより一歩進めたりするものだろうか。
努力する事の当たり前も、努力しても叶わない事がある当たり前も総じて“努力する事”の大切さを教えてくれる。

願わくば星野と月本のタッグも見てみたかったがこの映画はこれでいい。

アクマの「どこ見て歩けば褒めてくれんだよ!」が一番シビれました。
ほんと、どこ見て歩けば褒めてくれんの?

自分に卓球を教えてくれたペコがカッコ悪い姿を見たくないが故の月本の甘えは、それに関わる全ての人間を傷つけたがそのひとつひとつの伏線含めあの結末は胸アツすぎる。

この映画を観て大倉さん(アクマ)の名脇役の素晴らしさを再認識。
急に出てくる佐藤二朗やコーチ、監督に竹中直人や夏木マリという味のある俳優陣。
荒川良々もやっぱり好き。
そしてどう見ても高校生に見えない中村獅童と奇跡的にあの髪型が似合う窪塚洋介、なにより黒髪に眼鏡と憂いを帯びた瞳に薄い唇が最強のARATA拝めて幸せでした。

「行くぜ、相棒」
「おかえり、ヒーロー」



最後にひとつ言わせてください。

月本、階段にルービックキューブ置きっぱなしにすな。
木曳野皐

木曳野皐