レイフ・ファインズ「お前らみたいなヴァカによ! いちいち頭下げるなんて死んでもゴメンなんだけど!」
民衆「なんだこのやろう!」
レイフ・ファインズ「なんだこのやろう!」
そんな映画。
レイフ・ファインズの監督デビュー作なのだけど、手堅い演出で割と見ごたえがある。
シェイクスピアの戯曲の現代版とのことなので、ストーリーだけ拝借した内容かと思いきや、ローマとかヴォルサイみたいな原作に出てくる都市や設定までもそのまま現代版にアップグレードしているのが面白い。
所謂"リアル"な設定は追求しておらず、戦士を讃える文化があったり、ローマを出るとどこか中東の街みたいな風景になったり、かなり空想世界感があって不思議な感じだ。
何より、台詞がとても大仰で詩的な言い回しだったりするので戯曲的というか舞台的。それをレイフ・ファインズのような名優が主演として積極的に出張ってやっているので、かなり独創的な作品に仕上がっている。
アクションシーンのカット割りや見せ方がヘタクソだったりと、まだまだ監督として甘いところはあるけど、この調子で監督を続けていったらもっと味が出てくると思う。
個人的には、レイフ・ファインズに加えてモーガン・フリーマンやサミュエル・L・ジャクソンを迎えた本格的演説映画を作ってもらいたい。