全体を通してヒトラーの歴史はザッと把握したつもりだけど、この映画のように客観的に大きな単位で捉えるタイプではなく、末期の一部分を身近な視点で描いているので凄く新鮮でとても良かった。
恐怖と狂気、絶望と現実逃避、忠誠心と反発心、裏切りや怒りなど、具体的に言葉にしなくても演者の目線や表情、態度等から沢山の事を伺う事が出来る。
悪魔のような象徴が道化にすら見えるこのあたりの時期の彼らの描写がとても深くて、複雑な気持ちになり胸に刺さる。
最期だからといってどう転んでも好意的に観るのは難しい出来事だけど、作品としてとても心を動かされる良作だったと思う。
