ハヤシ

ヒトラー 〜最期の12日間〜のハヤシのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
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観ながら何度ももうこの国はダメだよ…もうこのジジイはダメだよ…となった。しきりに手を震わせ、ボサボサの髪を簾のように垂らし、背を丸めながら肉のない食事を少しずつ口に運ぶヒトラーはどう見ても老人としか思えなかったが、1945年時点で56歳だったとのことで驚く。

自暴自棄になる男たち、盲信を続けようとする女たち、その中で高貴に振る舞おうとするエヴァ・ブラウンの異様さ異質さが印象的だった。幼稚だったのか、達観していたのか。実際のエヴァがどうであったのかについても知りたくなった。

熱烈なナチ党員ではなかったが、家族の反対も押し切って秘書になってしまった、その原動力が好奇心であったというユンゲの述懐は、それが本当であれば恐ろしい。

最後に登場人物のその後についてもまとめられている。大木毅『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』の副教材としても良い。
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