いしす

ヒトラー 〜最期の12日間〜のいしすのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
4.4
出来うる限りリアルに描いていてとても細やかなディテールの作品。

死の直前に罹ってたのではないかと推測されるパーキンソン病に依る左手の震えの再現度も高く、有名なヒトラーユーゲント(青少年団)達とのシーンはYouTubeで見れる本物の動画と見紛うほど。

食事のシーンでは菜食主義者の総統のお皿にだけ肉が無かったり、この時代ではとても珍しく禁煙(総統は嫌煙家)で、秘書たちも最初はわざわざ外に出て喫煙してるのだが、彼が亡くなったと聞いた途端に将校たちも皆一斉に館内で煙草を吸い出すシーンなども含め、予備知識がないとただ漫然と観てしまうかも。

唯一架空..だが現実にも沢山実在したであろう少年ペーターの無垢さが響く。
(10~18歳で構成されてたユーゲントは16~60歳の国民突撃隊と1944年に併合された)

ベルリン市民や医療従事者、SS将校らなど一人ひとりにストーリーがあって「日本の一番長い一日」でも表現されていたような終局への狂想曲を感じた。
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