さとう

柔らかい殻のさとうのレビュー・感想・評価

柔らかい殻(1990年製作の映画)
3.6
例えるなら爽やかなデヴィッド・リンチ。
風にそよぐ金色の麦に、悪夢が投影される不思議な映画です。

少年時代は悪夢ばかり。でも、朝を迎えればもうなんてことなくなる。この感覚はなんだか分かる気がする。
周りの大人たちをただ見ている事しかできなくて、飲み込むしかない非力さ。ラストシーン、夕焼けをバックに少年が天を仰いで叫ぶシーンで、やりきれない気持ちが一杯になります。

不条理でどうしようもない世界観を表現するのに、閉鎖的な田舎町はピッタリですね。
さとう

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