YuikiKoiwa

パリの恋人のYuikiKoiwaのレビュー・感想・評価

パリの恋人(1957年製作の映画)
3.0
アステアとオードリーの共演するミュージカル作品

一流ファッション雑誌のカメラマンとして働くアステアはロケ先の古本屋でたまたまバイトをしていたオードリーに一目惚れしモデルに抜擢する。

哲学家でファッションに興味がないオードリーはこれに乗り気でないものの、アステアの誘いと憧れのパリに行けるという事で仕事を引き受けるが。。。




実際にパリでのロケ撮影を行い、全編カラーで、人気のオードリーペプバーンを起用するという話題性重視の内容。

アステアの役が写真家なのは映像がカラーになった影響もあるかも。現像室でのシーンなんてカラーの能力を誇張してたし。

ミュージカル部分ではオードリーがアステアの足を引っ張ってしまっていて、2人のデュエットよりアステアのソロの方がよっぽど見ごたえがあるものとなってしまっている。

それとは逆にドラマ部分ではそれこそ彼女には役不足な脚本だ。チャーミングさを強調したいのは分かるが、『ローマの休日』で儚い恋を楽しむ王女を演じ切った女優なのにもったいない。

別々のジャンルの名優を使って、どちらの持ち味も無くしてしまったように感じて残念。

パリを酔狂な哲学家が集う街としてしか描けていないし、これでは実際にロケに行っても仕方ない。

ミュージカル映画なんだから、2人が"共感"し合う過程を音楽の中で描いて欲しかった。
YuikiKoiwa

YuikiKoiwa