あつお

ターミナルのあつおのネタバレレビュー・内容・結末

ターミナル(2004年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

主人公ナボルスキーの孤独な数週間を描いた作品。
主人公のビクター・ナボルスキーは、祖国のクラコウジアから、ある野望を携えてジョン・F・ケネディ空港に降り立つ。しかしその瞬間、祖国はクーデーターで消滅、パスポートは無効に。空港から出ることも、祖国に帰ることも出来ない。そんな、斬新な設定から物語は始まる。
英語を話すことの出来ないナボルスキー。所持金はほぼゼロ。空港の中でしばし時間を潰さなければならないが、食料すら手に入らない。そこで、ナボルスキーはお金稼ぎを覚える。荷物運搬用のカートを所定位置に戻すと返金されるシステムを利用したのだ。周囲にあるカートをかき集め、大量のカートを戻す。そうしてハンバーガを買えるようになるも、空港職員に邪魔されてしまう。そんな中、壁塗りの技量を買われて工事現場の職員として雇ってもらえるように。何と運がよいのだろう。
それとは別のところで、ナボルスキーに恋の予感が。ユナイテッド航空ファーストクラス担当の客室乗務員であるアメリアとの出会いだ。彼女は自虐的な恋愛を繰り返しており、自分の年齢を偽りながら、自分自信をも偽りながら、とある男性のことを待ち続けている。そんな中、ナボルスキーと偶然出会いミステリアスな彼に惹かれていく。純粋無垢なナボルスキーに魅せられたターミナルの仲間たちに支えながら、彼女との恋は進行していく。心温まるシーンだ。
そして、物語は終盤へ。祖国、クラコウジアの内戦は終結し、ようやく自由の身となる。ナボルスキーは父の夢を叶えるために、ニューヨクへと向かうのであった。
一人孤独に戦いながらも、次第に仲間の理解を得て、父の夢を叶えようと奮闘する。人間の暖かさを感じられる作品でした。もし自分が一文無しで同じ状況に置かれたら。そんな想像をしながら見ると楽しめる作品です。
あつお

あつお