待つことがテーマで、その待つ時間をどう過ごすかが描写されている。
主人公は言葉を習い仕事をし、恋までして前向きだ。
そして祖国への思いと誇りが主人公を形作る設定で、残飯に手をつけない。
祖国が怖いところだとするのを断固拒否する。
システムの穴を描写しているのも見逃せない。
入国システム、ビザやパスポートの穴。
そして空港という巨大なシステムの中で、人が一人暮らしても誰も気にしないという穴。
工事中のスペースに、冷蔵庫として個人的に使用しても見咎められない自販機。(すごい無駄に電気代つかってそう)
「思いやりの気持ち この国の基礎だ」というセリフの通り、
他人を思いやるかどうかというのがこの作品のムードになっている。
冒頭のシーンで公衆電話の使い方がわからなくて聞こうとしても無視され続ける主人公。というシーンが対比になっている。
この孤独な主人公がラストには……
サインも一つのキーワードとしてある。
書類にサインするかどうかとか、
サインをもらうとか
エンディングのスタッフロールもサイン。