旅路の果ての作品情報・感想・評価

「旅路の果て」に投稿された感想・評価

pier

pierの感想・評価

4.2
隠居した役者が集う養老院を舞台に、彼らの旅路の果てを描く。
君は役を演じ、私は役を生きた。
そんな台詞はなかなか言えない。
GaPTooth

GaPToothの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

( 」゚Д゚)」C’est bien !!
名優たちによる共演、競演、まさしく饗宴。

「サン・ジャン・ラ・リビエール」は、ラローシュによる役者専用の慈善事業経営の老人ホーム。
年齢を重ねて現役を退いた役者たちが暮らしている。

かつての二枚目俳優サンクレールもやって来るが、30年前の恋人シャベールや数十年前にサンクレールに妻シモーヌを寝取られた過去を持つマルニーも気が気ではない。

いつまでも二枚目気分が抜けず、自由気ままに振る舞うサンクレール。
かつての恋人が亡くなったと聞いても、心ここにあらず。遺された指輪を元手にモンテカルロへ去っていく。

一時は経営難から閉鎖に追い込まれた「サン・ジャン・ラ・リビエール」だが、多額の寄付を受けて存続が決定。
同時に「ロスタンの戯曲『鷲の子』」の特別公演も決定し、かつての俳優陣も張り切って準備に勤しむ。

フランボー役の役者が遅れていることを受けて、舞台役者だったマルニーに代役がまわってくるが、生涯、舞台に立つこと無く代役人生を送り現役を退いたカブリサードが「自分にやらせて欲しい」と懇願する。
結果は残念なことに...

終盤、モンテカルロから戻ってきたサンクレールとマルニー、そしてジャネットの行動を巡る酒場での一連のシーンは素晴らしい。
マルニーに向けたサンクレールの「君は役者を演じ、僕は役を生きた」という言葉をきっかけに、一気にサンクレールの狂気が盛り上がる。
本当に「私は不滅のドン・ファン」だったサンクレールは病養院へ。生涯ドン・ファンとして生きるんだろう。

カブリサードの埋葬。
指名されたマルニーから弔辞(心からの賛辞)が送られる。fin。
tych

tychの感想・評価

3.6
La Fin Du Jours 1939年 フランス モノクロ 100分。 元役者たちが集う老人ホーム。奔放に生きてきた元人気役者、才能はあったが今一つ売れなかった者、代役専門だが一度も舞台に立てなかった元など、なかなか過去と訣別出来ずに今を生きる。主演の三人がこれらの心まで老人になりきれない男たちを見事に体現。
ピピン

ピピンの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

名作の名に恥じない素晴らしい作品だった!

役者の老人ホームという普通の人にはまず縁の無いであろうシチュエーションだが、人間の虚栄心がテーマなので殆どの人は共感出来るのではないだろうか。

誰しも一度や二度は見栄を張ったり自分を大きく見せようとしたりした経験があるはず。

目の前の人間は騙せても、自分は騙せない。
虚しさは自分に返ってくるのだ。

三人の老人達は形は違えど過去に囚われて抜け出せない。
頂点だった男も底辺だった男も破滅に向かい、負けを認めることが出来た男が生き残り弔辞を読むのが興味深い。

若い頃のギラギラを持ち続けるのはすごい事だと思うが、老いを認め虚栄心を脱ぎ捨て無ければ本当の意味で幸せにはならないのかもしれない。

サッカーのカズやボクシングの辰吉は現役に執着する。
しかし彼らは無様な自分を晒す覚悟も出来ているから輝いて見えるのだと思う!
KAYUPAN

KAYUPANの感想・評価

4.0
名実有無関係なく元演劇役者が行き着き集まる老人ホームが廃止になりそうなドタバタ。老いと生き様と死と詩劇がテーマ。
しう

しうの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

みんな当たり前に狂ってて先がまったく読めず目が離せない。
演出からはずれて修正できぬままに終演へ突き進む芝居のような老俳優たちの奇矯な生を喜劇にも悲劇にもしない暖かさと冷たさ。
ヴィクトルフランサン (マルニィ)
ルイジューヴェ (サンクレール)
ミシェルシモン (ガブリザード)
の3人が素晴らしい映画。
それぞれの過去に囚われて老人になることができなかった老人達の成れの果てを描く

俳優という虚構の世界だからこそ存在している繊細な現実と理想の見せ方が面白かった。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.0
‪「旅路の果て」‬
‪J.デュヴィヴィエの傑作とされる39年作の本作を初鑑。徹底したリアリズムを追求した本作は養老院を舞台に老いた俳優らの日常を描いたもので、全体的に暗鬱で(病室を見ているかの様な)悲劇的であるが役者らの芝居が個性的で、更に長回しの台詞やラストシーンは心にグッとくる名作だ。‬
堕ちていくミシェル・シモンと、その生気を吸い取って気が違ったように自惚れてハイになるルイ・ジューヴェの山場。先が見えずに死んでゆくご老体の哀れさ。
倉本聰の「やすらぎの郷」では、芸能人専用の老人ホームが舞台で話題を呼んだドラマだが、ずっと以前、戦前のフランスで似たようなシチュエーションの映画作られている。

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督による本作は、俳優専門の老人ホームを舞台に、三人の元役者たちを中心に描いた人間ドラマである。

ひとりは“過去”の栄光に溺れてしまい、ひとりは“過去”のトラウマからいつまでも立ち直れず、もうひとりは“過去”がないことを悔やみ、それぞれの残りの人生を過ごしている。

ルイ・ジューヴェ、ヴィクトル・フランセン、ミシェル・シモンの三者三様の演技…いや彼らが演じた人物そのものに引き込まれる。

終末に向けて、ひとはどうやってそれぞれの過去を総括していくのか、本作は老役者たちの目を通して観客にうったえかけているようである。
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