このレビューはネタバレを含みます
鑑賞中にこの年代の日本のサスペンスの漫画を思い出した。馬の輪切りだったり人の心へ侵入する設定だったりと、この映画の独特の世界観がいろんな作品に影響を与えているのではないかと思う。
とにかく世界が美しい。衣装から設定から画面の使い方から何から何まで目を惹く。現実世界での2000年の(おそらく)真夏の空気感がとてもすてき。真昼にてっぺんを座する太陽と垂直落下の白い光、くっきりとした影など、映像美がどこまでもこっていて見ててとても楽しかったです。
救われぬ殺人鬼の内情とそれでも許されないと口にする捜査官の正しさ、主人公の慈愛が折り重なって、ひたすらに美しかった。