牧場を開き大きくした父。その元で育った兄弟。父は子供を自分のような、自分と同じ考えを持つ大人に育てたいと思い、子供は子供の考えがある。それがかみ合わない父子。母は亡くなってしまっているらしく出てこない。また兄弟でも兄は先住民を見下し、力を信じるタイプ。弟は先住民を見下すことは無く、話し合いを重んじるタイプ。
兄がとにかく粗野。対比するためだろうが、ちょっと引いてしまう。父も、オレがこの牧場を開いたんだ、という自負があるが、先住民はオレ達を襲ってオレ達を殺した、と言っている。今の時代だから、白人が勝手に入っていったんだろうが、と思うが、当時の開拓者にとってみれば、西部は自分たちの土地になるべきもの、だったんだろう。
父は身を守るために銃を常に腰につけているが、今や町ではそれは御法度になっている、という設定。また最後には弟と、先住民の血の入った娘とがつきあうのに、父も反対はしない、この2点を、時代が進めば考えは変わる、というのを表わしてみたのか。
邦題の「草原の野獣」の野獣は兄のことなのか。父も含むか。原題「GUNMAN'S WALK」 WALKには、歩み、世渡り、なんていう意味もあるみたいで、これだと、父と兄弟の生きざま、という感じか。
1958アメリカ
2022.7.22BSプレミアム