⭕️初見
2012年度キネマ旬報ベストテン1位獲得。ブルーリボン賞作品賞受賞ということで鑑賞。
メッセージ性だけをとっても観る価値ありな一本でした。
◼️特徴的なカメラワーク、音声による演出。
基本的には、ハンディによる長尺ワンカットで、画面揺れが凄いです。この演出による雰囲気の伝わり方がもの凄い。画面上に映る色も決して鮮やかではなく、静かな空気感があります。
長尺ワンカットセリフ少なめの回しも結構あって役者陣の演技は非常に見もの。皆さん表情が素晴らしいです。
音声に関しては、ブームマイク一本撮り感凄いですね。(詳しくは調べてないけど)
コンプもリミッターもかけていないような感じで、音割れちゃってるもんね。
ただ、なんだかリアリティが増しているように感じて、シリアスな雰囲気を演出しています。
この点だけでこれまでの空気を演出できるってのは凄いです。
◼️脚本は、題材が題材ということもあって、これといって凄いって感じはないのだけど、無駄な演出が一切なく、描きたいことやメッセージは良く伝わってくる作品だった。
マジで無駄な演出一切ないです。
全部直球でしっかり伝わってくるのが、この映画の重みを増しているのだろうなと感じました。もちろん演技も相まって。
伏線もちらほらあって、点と線の繋げ方も上手かったので、そういった面でも観ていて飽きなかったです。
そして、私たちは朝鮮への予備知識やイメージが多少なりともあるというところが前提の場合とそうじゃない場合でめっちゃ見方変わるなってのもあって。
何より、本当の話なの?って、場合によっては漫画やアニメで描かれるレベルの話。
どっかのファンタジーなんじゃないかなってくらい、普通に考えたらあり得ないような話なので、先入観に囚われず(朝鮮という国への予備知識)観ても凄いと思います。
◼️総括
ただただ内容が重たいってところ以外にも見え方が様々な作品でした。シンプルに観る価値あり。
《好きなシーン》
井浦新が25年ぶりに当時好きだった子と会って、帰りのタクシーのシーン。ここロマンチック加点入った。
国の事情や時間の経過を2人の見つめ合う目が語っていたような気がした。