慎一郎

かぞくのくにの慎一郎のレビュー・感想・評価

かぞくのくに(2012年製作の映画)
4.0
傑作「スープとイデオロギー」を撮ったヤン・ヨンヒ監督の過去作がポレポレでまとめて上映されておりまして。2週かけて全部観ました。観た順番は「ディア・ピョンヤン」「愛しのソナ」「かぞくのくに」なのですがレビューはこちらから。

映画を観る前にこちらで他の方のレビューをちらっと見てしまって。評点が微妙だったり。映画としては上手くは・・・みたいなコメントも見かけて、ドキュメンタリーはほんとうにすごかったけどドラマはどうなんだろうと思いながら臨んだのですがなんですかこれ!!大傑作じゃないですか!!

もちろん先にドキュメンタリーを観ていることで背景が理解できたり、だからこそ余計に感情移入したところもあるとは思います。それでも安藤サクラは北千住似合いすぎだし、井浦新もアボジもオモニも、叔父さんも監視役の人も、すべての登場人物にリアリティがあって。それは脚本と演技がしっかりと噛み合っているからで。映像もね。オープニングであえて手ブレさせているところとか、違和感のあるところもなくはないんだけど全体に役者との距離感がとても良くて。私は大好きだったなあ。ゆったりしたテンポで進めつつのあのラストシーンの切れ味が特に好き。
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