不快だ。
絶え間なく続く力と言葉の暴力。
しかし、目をそらさせない毒々しい魅力がある。
舞台としてのレストラン。
ごちゃごちゃしているようで、不思議なおしゃれ感。
そこに鳴り響く歌と音楽。
マイケル・ナイマンがしっかりと観る者の手綱を握る。
不安にあおられ
恐怖におののき
昂りに溺れる。
ジャン=ポール・ゴルチェの衣装も素晴らしい。
映えるビビッドな色彩。
ゴージャスな中に禍々しさが漂う。
泥棒=マイケル・ガンボンの吐き気を催すほどの下衆さ。
情も
知性も
センスもない。
あるのは薄汚れた金と自尊心だけだ。
彼が、後には魔法学校の校長先生になるのだから…
世の中はわからないものです。
暴力で支配される妻ジョージーナ。
演じるヘレン・ミレン。
割と最近は強さが前面に出ていますが、今作で見せているのは…
まさに熟しきった女の姿。
芯の強さはありながらも、ただひたすらに愛する男を求める。
しかし、ロングショットのシーンが多いからか?
エロさはあまりなくて。
むしろ、絵画を見ているような気持ちになりました。
若すぎて最初は気づかなかったけど…
ティム・ロスも出てますよ。
かなりハードな内容ですので、誰にでもおススメできる作品ではないですが…
リンチがいける人なんかは好きなんじゃないかな。
まあ、凄かったです。