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素晴らしき哉、人生!のOMCのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.0
クラシカルなクリスマスの定番映画。
若い頃一度見た時は、あまりピンとこなかったけど、改めて見たらラストで泣けました。やっぱり名作だと思う。
人が周りに及ぼす影響って、みんなそれぞれ違う。ちょっとしたつぶやきが世界を動かす人もいれば、何も変わらないように見える人もいる。
でもこの世界のもの(人とは限らない)は全て何らかの影響を与え合っているはず。ちょっとした言動がどこかの誰かの心をちょっとだけ動かしたかも知れない。そう考えたら穏やかな気持ちになれる。きっと人間は誰か(または何か)に良い影響を与えることで自分の存在意義を感じることができるんだと思う。
今作の主人公は運命に翻弄されて、思った通りの人生を歩めなかったかも知れない。しかし彼に助けられた人はたくさんいたから、最後はとても映画的でドラマチックなシーンで終わる。
世の中の大半の人にはこんなドラマチックなことが起きるとは思えない。でも、全ての人の存在は何かの役に立っている。
奇しくも昨日見たヴィム・ヴェンダースの「PERFECT DAYS」の主人公平山も、そんな気持ちでトイレ掃除を淡々と続けているのかなあと想像しました。

「友あるものは救われる」byクラレンス
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