Jean

素晴らしき哉、人生!のJeanのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.5
2017.01.31 字幕視聴

人生の一瞬、一瞬が素晴らしい

喜びも、悲しみも、苦しみも

いらないものなんて人生にはない

そう言われている気がする


弟ハリーを助けて難聴になっても、
ガウワーさんに頬を叩かれて怖い思いをしても、
大学に行けなくても、
夢を叶えきれなくても、
人生は死ぬまで続く

いつ何があるかわからないから
人生は素晴らしいものにできる可能性を
秘めている

限りあるからこそ、
人は命を大切にし、愛する誰かを思って
生き、接し、共に歩むのだと思う

限りあることだから、素晴らしい

たった1人いなくてもと思える世界は
その1人1人が合わさってできたような
ものだから1人いないだけで、
世界は一変する

主人公ジョージは多くの人に救われた
それもまた彼の人生を一変させた

それは彼が多くの人の人生に携わってきたからだ

ジョージは街のみんなに愛され、
多くの人たちに助けてもらえた訳

それは彼が常に誰かのためにという
父親から受け継いだ、人間の豊かさを
分け隔てなくみんなに注いだためだろう

人が人の人生を支えているのだと痛感した


君は実に素晴らしい人生を送っている

という天使クラリスの言葉は
わかる人だけにしか伝わらない
言葉の重みがあるだろう

人生を失う以上に恐ろしいことなんてない

弟ハリー
ベイリー
ガウワー
クラレンス
バイオレット
メアリー
子供たち

ジョージがいなくなることで
この人たちの今の人生を奪うことだと
彼は自分のいなくなる世界を見て痛感した

命は自分のためのものだというけれど、
果たして自分の人生は
自分1人で作り上げられたものだろうか?

多くの人によって作られた私の人生

苦しくなった時、
悲しくなった時、
生きているのが辛くなってしまった時、
私はどうして今まで生きてこれたのか思い出したい

家族、友、恩師、嫌いな人、好きな人…
多くの人が私を作ってくれた

そして私もまた、
その人たちの一部を作ってきた

私がいなくなるのは
今のその人がいなくなるということ

人が生きる人生は、
自分だけのものだろうかと考えさせられる
そんな映画でした

普遍的な命の大切さを説いた本作が
多くの人に愛されるのは
ここに理由があるのでしょう
Jean

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