Yoshishun

素晴らしき哉、人生!のYoshishunのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
3.8
映画史上屈指の名作であり、アメリカの映画学校では必ず鑑賞を薦められるという70年も前の作品。

ストーリーは単純明快で、映画初心者にも優しい内容。他人のために働く思いやりの強い主人公が、やがて人生の境地に立たされ、天使の助けを借りながらも再起していく、というもの。常に他人の幸せを願っていたがために、自分が不幸になることも。夢見た大学進学を諦めて親の会社を引き継いだり、町一番の資産家の誘いを断り、会社のために働くことを選ぶも資金を紛失したり、また幼少期は弟を助けるために左耳が難聴になったり。上に書いたものだけでなく、さまざまな壁にぶつかり、苦悩する日々を過ごします。

冒頭10分は、そんな彼を見つめる天使たちの会話が展開され、CGの無い昔ならではの表現方法なのが面白い。天使が人の姿となって登場するのは終盤のみですが、不幸続きの彼の願いを叶えるのではなく、ifの世界を通じて存在価値を認めさせることに、「クリスマス・キャロル」と似た感覚を得ることができました。ラスト10分は映画史に残る最高のカタルシスであると同時に、前を向けないすべての人に贈るポジティブなメッセージを秘めているようでした。これが本作を名作たらしめる真価だと思います。

起承転結のしっかりした構成、嫌な感じがたまらない悪役、主人公に一途なヒロイン等々、映画の基礎とも云える要素が盛り沢山で、映画の中の映画と云えるでしょう。

ただ個人的にはそこまでハマりませんでしたw
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