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山びこ学校のmhのレビュー・感想・評価

山びこ学校(1952年製作の映画)
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ベストセラー「山びこ学校―山形県山元村中学校生徒の生活記録」が原作。
日教組が製作しているので、幾度となく学校団体鑑賞で上映されたのだろう。マスターフィルムの状態がやたら悪い。全体的にボケているのでオイルがまわっているのかもしれない。
ボケた映像、聞き取りにくい声には、思わぬ副産物もあって自然と前のめりになるため妙な没入感がある。作文指導が作中で行われる。その作文が有名になって、この映画ができあがるというメタ的なループに取り込まれるので酩酊感も味わえた。
生徒とのやり取りが、生活指導の模範解答集みたいにもなっていて、体育館で映画を見ている生徒たちはもちろん、先生たちも勉強になったんじゃないかな。
おひかりさまのくだりもよかった。村で問題視されてて「誰も頼まないのに勝手にきた」とのことだった。戦後のたけのこ――新興宗教ブームならではのプロットだった。
ググってでてくる無着先生の略歴も面白い。映画化されて村から追い出される。「子ども電話相談室」のレギュラー解答者で、まだご存命なのか。
状態のいいマスターが見つかって、リマスター版が登場したらまた見てみたい。
面白かった!
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