ジョウ

十月のジョウのレビュー・感想・評価

十月(1928年製作の映画)
3.7
この作品は革命及びソビエト連邦建国10周年記念として、政府からの要請を受けてエイゼンシュテインが撮ったものです。
要するにソ連万歳な非常に政治的なプロパガンダ映画です。
これまでのストライキや戦艦ポチョムキンも革命思想のプロパガンダ映画と言えますが、社会主義の結末を知っている以上皮肉に見えてしまいます。
この映画の中には所謂知的モンタージュという種類のモンタージュがいくつかあり、それにより観るものの考えや見方をある意味誘導しているように思えます。
つまりこの映画におけるモンタージュのいくつかは、戦艦ポチョムキンのように映像のダイナミズムの増加等とはまた違うものだと思います。
しかしこの映画は十月革命の史実に基づいたいわばリアリズムでもあるわけで、リアリズムと知的モンタージュは相反するものだと思うので、個人的にはあまり響きませんでした。
ただ随所に唸るような映像表現もいくつもあります。
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