ロアー

バスケット・ケース2のロアーのレビュー・感想・評価

バスケット・ケース2(1990年製作の映画)
3.6
8年ぶりの続編ですが、強引に前作の直後からお話が始まります。
兄のビジュアルが・・・なんていうか”ちゃんと”してしまったのがちょっとショック。前作ではカクカク動いていたのに、今作では普通に動いていてこれが8年間の技術の進歩なんですね。

今作の舞台はフリークスを擁護しているおばちゃんの家。出てくるフリークスは陽気でみんなかわいくて、ビジュアル的には「ビートルジュース」みたいでした。

これまでは普通の人間たちの世界で兄の存在こそ異端だったけど、今度はフリークスに囲まれた世界で弟こそ異端な存在になってしまうというアイロニー。1作目では兄と離れたいと思っていた筈の弟なのに、バスケットの中から解放され自由に生きる兄の姿を見て、アイデンティティが崩壊してしまうイカれたラストが最高でした。

単なるB級ホラーと言えばB級ホラーで間違いないものの、兄弟の共依存やマイノリティとマジョリティの描き方がシニカルで、隠れた傑作と錯覚しそうな映画です。
ロアー

ロアー