Zorba

都会のアリスのZorbaのレビュー・感想・評価

都会のアリス(1973年製作の映画)
4.3
傑作。

冒頭、上空を飛ぶ飛行機をとらえたショットから道路標識、海、桟橋。そして、そのままパンして橋の下のカメラを持った男へ、という一連のカメラワークが最高。セリフも説明もないが、これだけで、男が飛行機に乗ってきたこと、標識から場所、海でたそがれてることから、人生に行き詰まっていることなどが推察できる。省略がうまい。

その後、ひょんな事からアリスという少女と旅に出ることになる。んで、そのアリスが空港でお母さんを待っているシーンがあって、それがまた泣けるんだよなぁ。台の上に乗って荷物置き場を外からのぞきこんでるのだが、カメラに背を向けてるので表情はわからない。が、そのぶん想像がかきたてられるし、台の上に乗った不安定な足場がそのままアリスの心情にも重なっているように思える。名シーン。その後、このショットは2回も反復される。

ラスト、突然に終わりが来るのだが、母親が登場してお涙頂戴とかもなく、あくまで2人で終わるのがグッド b。あの空撮も、開放感やその後の希望が感じられてよかった。

もっと2人の旅が見たかったなぁ。
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