このレビューはネタバレを含みます
本当〜にゆったりと、ただただ彼女達の行動を見つめる、そんな作品。
モノクロに加え、モノレール眺め、車から見えるドイツの街並、フェリーと水面、
そして、車に寝転んで見た景色.......
昔、私がよく見ていた好きなアングル。
祖父母の家から帰る帰り道、こんな景色を見た様な気がする。
懐かしいと同時に、一瞬その時に戻ったみたいな感覚になったなぁ。
映画の方は、とにかく、なんてお人好しなんだよフィリップよ!!
生意気な、おまけにまったくの赤の他人の娘アリスの為に全財産叩いて、アリスの祖母探し......
普通に考えると有り得ないお話で、
自分勝手で生意気なアリスを警察に押し付ければいいだけの話なんだけど。
でも、なんか上手く説明出来ないけど、気付けばすごくステキな二人だったわ。
2時間近いロードムービーだったけど、途中で消したくなることもなく、
後から「ステキなものを観たかも...」と
じわじわと思えるそんな作品☺️
またポラロイドカメラが欲しくなった。
31歳でなんにもないフィリップに、アリスがフィリップを撮って
「これがあなたよ」って言うシーン、すごく良かった。
泳ぎながらお互いを罵るシーンや、かと思えば
「私達どう見える?恋人同士?」なんて聞いてみたり、フィリップと行きずりの女性を見て、アリスが急に可愛いワンピースを着てみたりするシーンもなんかグっときた。可愛いとこあんじゃないかと。
クソ生意気でワガママだけど💧
喉渇いた、って無理矢理カフェに入りアイスクリームを注文するアリス🍨
写真は自分が見たという証拠なんだ
という言葉や、書くことは(フィリップにとっては)写真を撮ること、って台詞も良かった。
写真ていいよね、
今出会えたステキな世界を、シャッターを押すと自分のものにできる、そんな感覚?
あぁ、素敵な言葉だなぁ。
でも、フィリップは写真にすると古くなるって言っていたなぁ。
椎名林檎の「ギブス」やYUKIの「ひみつ」の歌詞も、そんな表現をしている。
私は古くなっても写真に収めるのキライじゃないなあ。