河

ロストロストロスト/何もかも失われての河のレビュー・感想・評価

4.4
亡命後、ブルックリンでdisplacedだと思いながら孤独に過ごしていた人が、移民コミュニティで過ごすことでリトアニアからの難民としての自覚を持って、そのコミュニティの離散と共にマンハッタンに移って映画を撮り始めてって形で段々と自分のアイデンティティを確立していく話 詩や映像などの作品と、その人の生涯を同時に見せられるような作品、ほとんど知らないのでかなり刺さった

30分のリール6個で構成されていて、リールごとに話のテーマがあって最後余韻があって、映像的な統一感もある 移動し続ける、歩き続けることとその道中を記録することがアイデンティティになり、その不安、何も無さ、けど歩き続けるし記録し続けるって宣言するようなリール4から6の内容が好きだった

一方で、初めて撮った映像からリールを重ねるごとにその後の映像に近づいていくので、ジョナスメカスが自分の映像スタイルを獲得するまでのプロセスとしても見れる 以降の作品で特徴的な早回しがリール5の最後で登場して、リール6で以降の作品とほとんど変わらないスタイルになるのに感動した
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