せきとば

スモール・ソルジャーズのせきとばのレビュー・感想・評価

スモール・ソルジャーズ(1998年製作の映画)
3.6
3歳ごろ見たものの手がかりがなく思い出せなかったこの作品とNetflixで再会。

アンパンマンにティガ、メガレンジャー、キューティーハニーから獣神サンダーライガーと、リンピオ(良いもん)vsルード(悪いもん)の図式でしか物事を見た事がなかった俺に、「これはそういうのではない」と父が教えてくれたのが昭和プロレスのエグみだった。でもその時はイマイチそれがわからず、おもんないなぁとしか思えなかったのである。

そんな折に実際の映画内での役割はさておき、表象的に悪のミームを与えられた者が内的に悪であるとまでは言いきれないというのを深く実感させてくれたのがこの映画である。早いうちにそういった立体的なものの見方を体験させてくれたのはありがたい。

テレビは全て生放送だと思っていた3歳当時の俺からしたらこのレベルの高いCGと合成は強烈な説得力として効果的だったし、それは今見直しても変わらない。思想に技術が正しく乗っかることでその可能性は飛躍するということはモノを作る人間からしたら自明であっても、ここまでまざまざ見せつけられると本当に励みになる。

プログラムによる学習の積み重ねが意識のような概念を醸し出すところは現代においても示唆的だよね。その行先が「存在よりも大事なもの」に希望を持つ形になっていることが美しい。
せきとば

せきとば