ボブおじさん

インファナル・アフェアのボブおじさんのレビュー・感想・評価

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)
4.3
【潜入捜査映画の原点にして頂点】
本作は香港で数々の興行記録を塗り替え、映画賞の主要部門を独占。その後、世界中で作られた数多の潜入捜査物に大きな影響を与えた。

原題の「無間道」とは、仏教でいう無限地獄のことで、一度入ると抜け出せない、絶え間なく続く苦しみを指す。組織の命令の下、それぞれ敵対組織で潜入調査を続ける2人の境遇を観念的に表している。映画の出だしに“「無間道」とは?”という説明があるので、これを念頭に鑑賞すれば、より映画を理解しやすくなる。

1991年の香港。ストリートで育った青年・ラウは、暗黒社会に入ってすぐに、組織のボス・サムによってその優秀さを見初められ、警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年・ヤンは突然退学となり、ウォン警視に能力を見込まれ裏組織への潜入を命じられる。それから10年、2人はそれぞれの組織で台頭していくなか、ヤンは警官として苦悩し、ラウは組織を裏切り、善人になろうとしていた……

このあらすじから解るように本作は、レオナルド・ディカプリオ&マット・デイモン主演、マーティン・スコセッシ監督によって映画化された『ディパーテッド』(06)。また、日本でも西島秀俊と香川照之共演により、ドラマ化されて話題を呼んだ「ダブルフェイス」(12)のもとになった映画である。

どちらの作品もよく出来ているがオリジナルを超える事はない。また、続編も作られて3部作ともDVDを所有しているが、こちらの作品が1番面白いので何度も見返している。

潜入中はいつバレるかと心休まることは無く、誰も信用することはできない。
裏切りに次ぐ裏切り。誰が味方で誰が敵か?

最後の一人になったとき「無間道」の意味がわかる‼︎


2014年6月劇場にて鑑賞した映画をDVDにて再視聴。

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本作は香港の2002年の興行収入のなんと17%を占めたという。

主題歌「無間道」を歌うのは主演したアンディー・ラウとトニー・レオンの2人。もともとは別の歌手が歌うはずだったが、映画会社の意向で2人に変更された。

リメイク化を巡ってドリームワークス、パラマウント、ソニー・ピクチャーズ、20世紀フォックス、リージェンシー、ワーナー・ブラザースが争奪戦を繰り広げた。

当時の史上最高額でリメイク化権を手に入れたのはワーナーだったが、当初のキャスト候補はブラッド・ピットだった。彼は役柄と年齢差を理由に、その後辞退した。