換気

さようならCPの換気のレビュー・感想・評価

さようならCP(1972年製作の映画)
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青い芝の会の横田弘らをハンディカメラで追う。

電車に乗った横田氏、バス待ちの列の横でカンパの呼びかけをする横田氏、地面に座り込む横田氏、両足の膝下を地面につけていざって歩く横田氏。

街に出た彼に向けられる人々の視線、視線、視線。

なぜカンパをしましたか?というインタビューに「え‥」と戸惑う声、「かわいそうだから」「気の毒だから」「ご苦労なさってるだろうから」など。

その市井の人たちの態度はおそらくあまりにも素直で、事実ありのままなのであろう。
その反応について推しはかることも批判することも自分にはできない。わるいも良いもなにも言うことはできない。

1970年頃の東京でのある一場面として画面を眺めることしかできない。


これをみて何かを理解することは難しい。

突如まちなかの道路に座り込んでお尻でもぞもぞ歩く人が現れたら。
その時抱く感情はなんなのか。慈悲なのか、嫌悪なのか、好奇心なのか、蔑みなのか、憐れみなのか。
めっきりわからない。
こうありたいという希望的観測すら浮かばない。

高みに立って物事を考える自分に酔いしれることすらできず、自分という人間のわからなさが少しわかった。それがしいていう感想。
換気

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