えそじま

彼女たちの舞台のえそじまのレビュー・感想・評価

彼女たちの舞台(1988年製作の映画)
4.3
外の世界のほうからなにやら事件性をおびて女だけの秘密めいた時間に迷い込んだような、リヴェット特有の世界観の延長線上だった。男は彼女たちの舞台に決して入りこめず、外部から強引にさざ波や大波をおこしてみたりするだけ。どんなに目を凝らし、果敢に接触を試みても不思議であるその空間は、いつまでも神秘のベールに包まれているように見えてしまうのだった。

劇中劇は、ひとつの映画の中で重なり合うウソとそれ以外、その擦り合わせによって真実の輪郭をぼんやりと浮き上がらせる。



「芝居は虚構よ」
「芝居はウソの世界じゃない、真実の探求よ」
「どうかしら」
「ここでウソはナシよ」
「ここでウソをつく理由はないわ、真実を語る理由も」
えそじま

えそじま