HappyMeal

彼女たちの舞台のHappyMealのレビュー・感想・評価

彼女たちの舞台(1988年製作の映画)
4.7
そういった要素が無い訳ではないが現実での出来事がフィクションの中身とリンクしていく、という単純なものではなく、どちらかというとテキストとして舞台上で発せられる台詞よりも彼女たちの身体の問題として現実⇔虚構の構造が横たわっているように思える
脱走、遅刻、捜査など様相は異なれど何度も出入りが繰り返される劇場の扉、同じく繰り返し映される電車の車窓からの風景、現実と虚構との境目などその程度のものでしかなく、扉を開ければ、電車に乗れば簡単に行き来ができてしまう(しかしそんなことでもないような気がするのがまた厄介である)
途中までだいぶ掴みどころがなく少ししんどさもあったがラストシーンのあの有様(という他ない彼女たちの舞台上での動揺と覚悟)には心底感動してしまった
濱口はまあ言わずもがな、アサイヤスのことも少し考えながら観ていた
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