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リリイ・シュシュのすべてのんのネタバレレビュー・内容・結末

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

この映画を思春期に見ていたら
自分にとって良くも悪くも大きい影響を与えていただろうなって思う映画だった
一人ぼっちの時に救われていたかもしれないし、或いはもっと深いところに沈んでいたかもしれない

カメラワークも風景も音楽も
ほんとに美しくて
暗くて嫌な話なのに
この陰鬱さが素敵に見てえてしまった
こういう映画を見ると、日本の何気ない景色の美しさに気付かされる

昔の自分と重ねるとちょっと共感できないシュチュエーションもあったかもしれないけど、いつの時代でもこの年頃は鬱屈したものを抱えてるよなと思う
自分にもこういう時期があって、まだギリギリこの時期の延長を生きていると感じる
この時期に感じた暗い気持ちがもたらした影響を、人生が終わるまでに忘れられるのかな


見た後なんともいえない気持ちになったけど、YouTubeにあがってるメインの4人と監督のスペシャルトークを見てちょっと救われた



この後雄一がどんな人生を歩んでいくのか
ちゃんと大人になれるのかが心配になった



市原隼人がめちゃくちゃかわいかったな
特に星野の家に泊まってサイズの大きい寝巻き借りてるとこ
最近向井くん見て色気ヤバいなって思ったから、いい成長したなぁって思う

蒼井優もただ居るだけですごい存在感があって
不安定で壊れそうなギリギリの状態が画面の中で凄く儚くて綺麗に見えた

キャストの俳優陣がほんとに子供で
そこがよかったな



面白いとか面白くないとか
盛り上がるとか盛り上がらないとか
そういうエンタメ的なものを超えて
人の心をただ揺さぶって
揺さぶるだけ揺さぶって
見た人のその後の感受性を大きく変えるような力がこの映画にはあるし、映画ってそういう力を秘めているなって感じる
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