立花

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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.8
14歳の頃に初めて観て、あまりの衝撃に「この映画に取り憑かれてしまうから、もう観るのはやめよう」と思った。
それから月日は経って、十数年ぶりに再度鑑賞した。

俺は大人になった。
この映画に取り憑かれることはなかった。

そりゃそうだ。あの頃とは思想も、感情も、身体も、何もかも変容しているのだから。

ただひとつ、思い出したことがあった。

それは「記憶」というにはあまりにも朧げで、しかし、そう呼ぶほかないもの。

あの頃の記憶。
14歳の頃の記憶。

表面的な記憶ではなく、もっと深層にある記憶を思い出した。


俺はね、本当は、

本当は、この映画に取り憑かれたかったんだ。
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