Shelby

リリイ・シュシュのすべてのShelbyのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
3.6
DVDにて鑑賞。見たあとの率直な感想。息苦しい。そして重たいテーマに心が沈んでった。田舎では珍しくない田園風景がキラキラと輝いていて、学生服を来ていた思春期の頃は私の目にもこんな風に見えていたのかな、となんとなく懐かしい気持ちに。
しかし、だからこそ、今作の美しい情景とは裏腹にいじめや援交と重たいテーマが更に浮き彫りになっているように感じた。

彼等も大人になれば、あの頃はリリイ・シュシュにハマってたよね、なんて笑いながら酒を酌み交わすことも出来ただろうに。
自ら命を絶ってしまった津野や、夏休みを境に豹変し過度なイジメを続ける星野。星野を刺した蓮見。レイプされても学校に通い続ける久野。それぞれが心に傷を負って、闇を抱えて生きていた。逃げられない閉塞感。陰鬱な日々。それでも明日は続いていく。
私にとっても逃げ場のない映画だった。思ったことを書こうと思っても、中々言葉に現すことが出来ない。
自分の中の共感を呼ぶことは難しかったので、1本のアート映画として捉えることにした。まるで絵画のような田園風景をまた見たくなったら、この映画を見返そうと思う。それまでは、思春期の甘酸っぱい記憶と共に封印しとくとしよう。
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