いろは

リリイ・シュシュのすべてのいろはのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.7
ドビュッシーの音楽に合う美しい映像、美しいだけで終わらせてくれない重苦しいストーリー。
十代独特の鬱屈とした空気感の描き方があまりにも秀逸。

閉鎖的で息苦しい。思春期特有の、一気に足を踏み外してしまうような危うさ。クラス、仲良しのグループ、そういった小さな集団が世界のすべてだと思ってしまう。
思春期に似たような感情や経験をした、あるいはそういった状況を間近に感じた人は多かれ少なかれいるのではないかと思う。
少なくとも私は時折自分自身のあまり思い出したくない記憶が刺激されて、心がひりひりした。

岩井俊二監督にハマるきっかけになった作品。
いまも大好きな映画だけど、心が元気なときに観ると決めている。
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